遠藤国賠パンフレット

一・二審裁判所は矛盾だらけの鑑定を採用
 

 
桂教授による血液鑑定

 船尾教授の鑑定に対し、検察官は新たに岩手医大の桂秀策教授を鑑定人として申請します。裁判所はこれを認め、桂教授は、独自に開発した「顕微沈降反応法」と呼ぶ血痕鑑定方法により、「シミは人血で、O型である」との鑑定結果を提出しました。

 しかし、この鑑定は桂教授自らの理論とも矛盾を起こすなど、きわめて疑問の多いもので、専門外である弁護人にさえこれを批判されるありさまでした。ところが驚くべきことに、この信用性の低い鑑定を裁判所は採用したのです。まさに有罪にせんがための鑑定採用と審理でした。

桂鑑定の矛盾点

(1)血痕鑑定の手順  血痕検査は予備試験、本試験、人血試験という手順を踏んでなされるべきものなのに、桂教授は予備試験を人血試験の後に行ないました。
(2)陽性反応時間の著しい遅れ  桂教授のそれまでの実験データによると、血液ならばせいぜい1時間以内に陽性反応が出るはずなのに、桂鑑定によれば本件検体について陽性反応までに48〜72時間も要したとされます。
(3)鑑定方法の客観性の欠如  桂判定の鑑定書の写真では、陽性反応とそうでない反応とが区別できません。
(4)坑H凝集素を使用しなかったこと  桂教授は、法医学の実務で広く使用されている坑H凝集素をなぜか使用しませんでした。